建設業許可を取ってる方が法人成りする場合
個人事業主として、建設業許可を取っている方が、法人成りしようとする場合、個人事業主としての建設業許可はどうなるのでしょう。
残念ながら、個人事業主として建設業許可を取った方は、新たに法人組織となった後、建設業許可を新規で取らなければいけません。
個人事業主の建設業許可を法人組織に引き継がせることが出来ません。
よって、新たに建設業許可を取るための要件を備える必要があります。
これから法人成りにより建設業許可を取る場合、どんなことに注意すべきか確認しましょう。
まず、個人事業主としての建設業許可の「廃業届」が必要です!
今まで、個人事業主として建設業を営むため建設業許可を取っていたその許可の廃業届も必要です。
しかし、個人事業主としての建設業許可の廃業届は、法人成りした法人で建設業許可を取ることができることが確認できてからしないと。
もし、法人成りした法人で、建設業許可を取ることが出来ないまたは、すぐに建設業許可が取れない場合には、500万円以上の請負金額の建設工事が出来ません。
そんな事態にならないよう、法人として建設業許可が取れる(希望の業種が取れることが大切)ことの確認後しましょう。
出来れば法人の建設業許可新規申請と同時に個人の建設業許可廃業届の手続きをすることが良いと思います。
法人成りした法人の建設業許可申請には「廃業届」が必要です!
建設業許可の「経営業務管理責任者」になるためには、常勤性が必要です。
よって、他の会社の役員や他の事業を行っていないことが求められます。
法人成りした場合、法人成りした法人で建設業許可の「経営業務管理責任者」となるなら、個人事業主として事業を展開していないこと(つまり、廃業していること)求められ、それに対して応じる必要があります。
それには、個人事業主を廃業して、法人組織の「経営業務管理責任者」に専念していること明らかにします。
証明する方法としては、税務署に個人事業主の「廃業届」を提出、その税務署受理印のある「廃業届の写し」を建設業許可申請書に付けましょう。
もし、個人事業主として事業を展開し続けて行きたいのなら、法人成り組織の建設業許可の「経営業務管理責任者」には、別の者を選ぶ必要があります。
法人成りした後、個人事業主として活動できないのか?
法人成りした後、そのまま個人事業主として活動したいと思う方もいると思います。個人事業主として事業活動ができるのか?
建設業許可の「経営業務管理責任者」には、その業務に専任し、常勤であることを求められます。その要件を満たす範囲なら、個人事業主の活動をすることも可能かもしれません。
但し、専任性、常勤性が認められない範囲での個人事業主としての活動は、「経営業務管理責任者」の資格を満たさなくなり、別のものを「経営業務管理責任者」にするか、最悪許可取り消し、許可を取れないことにもなります。
これは、個人事業主として建設業以外の業種の事業展開をしている場合でも同じです。
よって、法人成りした後、個人事業主として事業展開をしようと考えることは無理があります。
個人事業主の建設業許可番号を引き継ぐように手続きをしましょう
建設業許可には、許可番号があります。この許可番号は、各許可ごとに違います。
個人事業主として建設業許可を取っていた方は、必ずこの許可番号を引き継ぐように新たな建設業許可を取って頂きたい。
建設業の許可番号を引き継ぐことによる利点は、以下のような事です。
- 個人事業主の時の営業年数を法人成り以降の法人が引き継ぐことができる。
なぜ、個人事業主の営業年数を引き継ぐことが利点となるか。
公共工事を受注するときに必ず受けなければならない経営事項審査。この審査の結果として出される点数には営業年数が影響します。
もちろん、営業年数が長いほど点数を高くなります。つまり、公共工事の受注に影響することになります。
個人事業主の許可番号を引き継ぐための要件
- 個人事業主だったものが法人成り後の法人の代表取締役であること。
- 個人事業主だったものが法人成り後の法人の株式の過半数を所有していること。
- 事業年度が敬ぞ期していること。
- 個人事業主として許可を廃業していること。
- 個人事業主として建設業許可を取っていた期間に必要な各種届出等の手続きをしてあること。
以上の要件を満たしていれば、個人事業主の許可番号を引き継ぎできます。
まとめ
個人事業主から法人成り後、法人として建設業許可を取る依頼を多く受けています。
現行のルールでは、個人の建設業許可は法人となった後に引き継ぐことが出来ません。再度、法人として建設業許可を取り直す必要があります。
個人の時に建設業許可を持っていたので法人になっても必ず建設業許可を取ることができるとは限りません。また、スムーズに個人から法人へと建設業許可の移行をしなければ、業務の進行にも影響が出ます。
スムーズに許可移行を行うためにも、ちゃんとした準備が必要です。